石川工務所、石川重人さん訪問報告

【あらまし】
2016年3月29日、山梨県塩山市の伝匠舎石川工務所、石川重人さんを訪問しました。約850年の歴史を持つ石川工務所は、寺社や文化財の修復や古民家の再生をてがけており、その伝統ある会社をいま取りまとめているのが、石川重人社長です。日本の伝統的な建築の「匠」として今回プログラムに協力していただきました。まずは石川工務所に皆さんに挨拶をしました。石川さんからも歓迎の言葉をいただきました。資料として準備していただいた古民家の紙模型に留学生は興味津々です。



【向嶽寺にて】
まずは石川工務所の隣にある、向嶽寺に向かいました。向嶽寺の仏殿から中門を経て総門に向かう軸線は富士山に向かっていますが、中門から総門にかけて若干ずれが見られます。富士山(御神体)を直接見ないという日本人の宗教観がここに表れているという説明を受けました。また、当時石川工務所が補修移築を行っていた総門の現場も見学しました。瓦の組み方について留学生たちは積極的な質問をしていました。




【旧加藤家住宅の解体調査】
次に作業所に移動し、かつて山梨県笛吹市にあった旧加藤家住宅の解体調査にについて実際の部材を見ながら説明を受けました。主に昔の建築技術と現代の建築技術の違いについて留学生から質問が出ました。作業所にいらっしゃる社員の方々も紹介していただきました。






【上条集落で郷土料理をいただく】
重要伝統的建造物群保存地区である上条集落に移動し、散歩をしながら地区の伝統的な風景に触れました。お昼には甲州民家情報館にて、NPO法人山梨家並保存会の方から、山梨の郷土料理をふるまっていただきました。目の前の料理は一体どんな料理なのか留学生は東大生から教わりつつ、東京では味わえないような美味しいたくさんの郷土料理をいただきました。



【かんながけ体験と継手】
最後に再び作業所に移動し、かんながけの体験と、継手の模型をつかった継手技術の体験を行いました。留学生だけでなく東大生にとってもかんながけは初めての経験で、石川工務所の皆さんに教わりつつ、それぞれ材木に向かっていました。留学生たちは材木の香りに関心を示していました。一方継手についても、どのような仕組みで材木と材木が結合しているのか模型を使って体験学習を行いました。結合の仕組みについて留学生から質問が上がりました。




【最後に】
半日にわたって、日本の伝統的な建築技術に触れ体験することで、「匠」はなぜ古いものにも価値を見出し、どのように古いものを現代に伝え、いかに新しいものと結びつけ、そして新たな価値を想像するのかについて学ぶことができました。東京という都市の空間から離れ、日本の伝統的な風景や食事に触れることができたことも留学生にとっては大きな収穫であったに違いありません。留学生たちに貴重な経験をさせてくださった、石川重人さんをはじめ石川工務所の皆さんに改めて感謝申し上げます。